美の継承・故郷・住居の灯り・ “陰影礼賛”=“日本の民家”

 人類の造形は人間の歴史とともに始まる。それは、生活のための衣食住、生存のための呪術、神仏に祈る等の造形、さらに生きることへの自律世界の創造や社会的諸活動の造形等、次々に世界各地でさまざまな形で展開されてきたのである。

 それらの造形はすべて美術に他ならず、目で見て確かめることが出来る人間の歴史そのものであり、人間の歴史そのものであり、人間の生の真実をありのままに物語るものである。作者の個性表現という点では、絵画や彫刻に特色が見られるが、建築には絵画や彫刻にない特色があり、立体である点で共通している彫刻や工芸とも大きく異なるのである。

 それは人間が内部空間に入り込む、全身で感じとれるような視覚にあること、絵画、彫刻、工芸を問わずあらゆる分野を含む総合的な造形であること、さらに原則として特定の場に固定し、独立した存在であるにとどまらず、周囲の環境との関りという課題を背負っていることである。

 建築は、構造条件に適合することが不可欠であり、これが形の構成美に関ることも特色である。絵画とか工芸とかの分野分類は、たまたま近代以後の文化史体系の中で作られたもので、本来造形はひとつであるという認識の上で、建築の特色を改めて確認し、その上で「民家の造形」について考えてみたいのである。

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世界の建築家・古代から現代……建築家で辿る名建築の全歴史 古代~中世(第一部)

 PART1

 Ancient Egypt : Ancient Greece : Anecient Rome
 Early christian architecture & Byzantine architecture Romanesque Gothic

 古代エジプト王朝は、混乱期を挟みながら、古王國(紀元前2686~紀元前2181年)、中王国(紀元前2040~紀元前1663)、新王國(紀前1570~紀前1070年)と区分けされる。

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美と空間・系譜西洋建築の歴史

 美と空間の系譜・西洋建築の歴史
 様式の二つの流れ

 二つの世界:ニース附近~フランスとイタリアの国境に沿って北上し、スイスを東西に横断してオーストリアのウィン盆地にいたる、全長ほぼ1000kmに及ぶ山脈をアルプス山脈と言っている。標高4000m級の高峰を連ねるこの急峻な山脈は、歴史的・文化的にヨーロッパを二つの世界に分けてきたのである。地中海世界とアルプスの北側の世界である。今日のヨーロッパ文化は、この二つの世界がそれぞれ独自に生み出した二つの文化に、源を発すると言われる。河の流れに例えれば、古代地中海世界に発し成熟した<古典文化>の流れは、ギリシア、ローマ帝国滅亡後、アルプス以北の世界で生まれ成長しつつあった<中世キリスト教文化>の力強い流れに河床を譲る。しかし、古典の水脈は枯れることなく、ところどころで湧き水をつくりながら伏流となって中世を生き延び、ルネサンスのイタリアにおいて再び奔流となって地表に噴出し、キリスト教文化の流れに覆いかぶさる。

 合流した二つの流れは、ときに表層流となり、時に底流となりながらも、しだいに混じり合って今日まで下がってきたのである。

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