約10万年前、アフリカを出た私たちの祖先は? 48000年前の航海術の証拠そして実験
世界各地の遺跡の年代調査比較、DNA分析、石器の比較研究、国立科学博物館気鋭の人類学者の重層的な調査によって浮かび上がる。
☆:日本への3つの進出ルート、津島、沖縄、北海道ルート
日本では3万8000年前に、突如人類遺産が爆発的に現れる。それ以前の遺跡には確証がない。それまでいわば無人の野だった日本へ、津島、沖縄、北海道の3ルートから別々に、初めて祖先が足を踏み入れたのである。
後期旧石器時代のアジアには、大きく分けて南と北の文化圏があったらしいことを見てきた。それぞれ、ヒマラヤの南ルートと北ルートを辿ってきた集団の文化とみなすことが出来そうだ。アジア大陸の東端に達したそれぞれの集団のどれかが、やがて日本列島へ渡ってくる。まず日本列島に古代型人類がいたかという問題を整理し、ホモ・サピエンスが渡来したタイミングを探った上で、彼らの移住経路について考えよう。
